I is for Insane

統合失調症患者が綴る雑記

ある統合失調症当事者から見た京アニ事件

 

凄惨な事件。津久井やまゆり園の事件と比較して「命の重さ」を論じる風潮もあるようで、健常者も含めた私たちの生活は優生主義的思想のもたらす災禍と隣り合わせだ。統合失調症患者を「治療する」という発想に疑問すら抱かないとしても、仕方ないんだろうなと。


他人事じゃないなあとは思う。自分も昔は症状が酷く、この犯人と似たり寄ったりだった。「自分の考えたアイディアが盗まれた」と感じることは日常茶飯事だったし。


おそらく、統合失調症患者の妄想的な訴えに対して最も有効なのはその患者の思考を否定するよりも、むしろ推し進めて矛盾を露呈させること。例えば「自分の思考が他人に漏れている」という訴えがあるとして、もしそうだとしたらどのような仕組みでそうなるのか?どのくらいの範囲でそうなっているのか?例外があるとしたらどんな時か?その思考は他人に声として聞こえているのか?など矛盾を突くための要素は確実にある。まあ、こういう対話ができる人はまだまだ少ないのかもしれないな。


ちなみに、投薬によって症状がコントロールできるというのは一部その通りではあるが、それは脳の働きを正常に保つことで気持ちがおさまるというだけ。思考まで変えられるとは到底思えない。これは自分の感覚にしか過ぎないけど。


とまあ、そんな感じか。